この1年を振り返り、譲渡って、人が決めているようでいて、実は猫さんが自分で御縁を選んで掴み取って里親様を決めているのではと思う事がありました。
5月にお家が決まったハニーちゃんは、昨年の1月に預かった3姉妹の末っ子で上のお姉ちゃんたちは早くに里親様が決まり、我が家を卒業しました。残ったハニーちゃんが保護猫部屋で哀しそうに鳴くので、人馴れが十分ではないけれども思い切ってフリーにしてみると、あっという間に人懐こくそして人が大好きな子になりました。そして気難しいうちの子うにちゃんともつかず離れずの良い関係で過ごすようになりました。
保護主の方も積極的におすすめの子として里親募集をしてくださっていましたが、後一歩で決まらない‥そんな事が続いて1年が経った頃、保護主の方から
「山下さんのお家の子にしてもらえると嬉しいのですが‥」
と言うようなお話をいただき、少し心が揺れました。うちの子と同じように接して暮らして来たので、お迎えしても違和感なく家族として過ごせるとは思いました。それに家族みんなに懐いているし、主人のお膝で寝たり、甘えたさんで可愛い。でも彼女には幸せなのだろうか?揺れました。悩みました。
もう少し募集を続けようと写真を新たに撮って里親募集サイトに載せてもらいました。
そうすると、お声がかかったのです。先住さんを亡くされて、新たに猫さんを迎えようと募集サイトを見られた方から。しかも茶白の女の子を探されていて。もう、すぐに面会に来られて、当のハニーちゃんは押し入れに隠れてしまって隙間からしか会えなかったけれどもお申込みいただき、トントントンと譲渡になりました。
お家に入ってからのハニーちゃんは、ご両親様には娘のように、息子さんには彼女のように甘えて、それはそれは大事にしてもらっています。我が家では成し得なかった幸せです。ハニーちゃん自身がこの御縁を待っていたかのようなタイミングでした。
たくろくんも。長野県からレスキューした黒猫のたくろ君。すぐに預かりさんが決まったものの、夜鳴き昼鳴きで近所からクレームが来て戻ってくることになりました。帰って来てから我が家でも夜鳴きは続きましたが、しばらくして治りました。そういうこともあり、募集をかけても一抹の不安はありました。この子こそうちの子に迎えなくてはと思い始めもしましたが、諦めずに撮った写真になんと!2件の問い合わせがあり、そのうちの兄猫が亡くなり、残った弟猫さんの相棒になる子をと探されていたお宅へトライアルへ。絶対に夜鳴きするし、先住さんもストレスから病気になったらどうしようかと不安いっぱいでした。が、夜鳴き昼鳴き全くなく、先住さんとも良い感じで距離が縮まり、正式譲渡になりました。この御縁を知っていて此処をずっとお家にするとたくろ君が決めて、不安に打ち勝ち夜鳴きもしなかったのかしらと思えます。
私たちの知らない猫さんの世界で情報が行き交っているのでしょうか?「この御縁のところに決めるわ」とか「もう少し待ってみようかな」とかNNNネットワークがあるのかもかしれませんね。
担当 山下
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